アインシュタインはアスペルガー症候群だった?

▽ 20世紀最大の天才といわれた物理学者アインシュタインは135年前の3月14日に生まれた。既存物理学の絶対的理論であったニュートン力学を180°ひっくり返す相対性理論を打ち立てたことはあまりにも有名だが、幼少の頃は言語に障害があったせいで周囲とのコミュニケーションがほとんど図れなかったという。また、文字記号認識障害のため、生涯、“R”を鏡文字で書いたともいわれている。その一方で、小学生の年齢でユークリッド幾何学や微分・積分を独学で習得するという驚異の数学的才能を発揮した。

▽ それらの事象から「アインシュタインはアスペルガー症候群だった。」といわれているが、私はそうは思わない。確かに興味ある分野のみ熱中する傾向はあったと思われるも、人並みに仕事に就き悩み挫折し、結婚し子供をもうけ、ヴァイオリンを習いモーツアルトの音楽を愛した。ただ、人より少し右脳左脳を多く使い、人とは少しずれた思考回路を持っていただけだ。そう思わないと、世にいう天才はすべてアスペルガーとなってしまうし、何より我々凡人は夢も希望もなくなってしまうからだ。

▽ そんな天才物理学者が残した名言の中で特に心魅かれるのは、「人が恋に落ちてしまうのは重力のせいではない。」 ウィットに富んだ人間アインシュタインならではの一言である。そして、20世紀もう一人の天才、喜劇王チャップリンは本人を前にこう語った。「私の人気は、誰もが私を理解できるからです。ところがアインシュタインさん、あなたの人気は、誰もがあなたを理解できないからです。」        (Sakai)

  image033