はがゆい行政サービス

▽先月、尾張旭市にも待望の基幹相談支援センターが誕生した。一般の方にはなじみの薄い場所であるが、障害福祉サービス利用者にとってはそこがスタート地点となる重要な場所である。市役所内のそこに、専門の相談員を配置することで、迅速かつ適切に障害福祉サービスを利用できるという触込みだったのだが、現実には新規受給者証発行の際「概ね2週間必要です。」と以前同様の決まり文句。やれ相談員の予定が立込んでいるだとか、障害区分認定の委員会が今月は1回しかないとか、すぐにできない理由を先ず並べ立てる。片や我々施設は保護者への返事を、今日明日に迫られている。

▽そんな時、私はこう切返す。「相談や認定に必要な時間は一人当たり何時間ですか?」すると、「それぞれは1、2時間でも順番がありますし、認定委員会の招集時期も決まっていますので…」と来るのでまた切返す。「隣の名古屋市では2日で受給者証を作ってくれた。」するとまた、「それはおそらく特殊な例でして、また名古屋とはシステムも違いますし…」と来るのでまた切返す。「そもそも障害者一人ひとりが特殊な事情を持っている。そして、365日息をしている生き物だ。あなたたちの都合を言う前に『利用者本位』で仕事して欲しいね。」そこまで言うと2週間が3日になる。当たり前だ。1日は24時間ある。8時間寝たとしても16時間残る、相談員が2名いればロスタイムを見ても1日に10人はこなせるはずである。ちなみにソフトバンクの職員は、一人で1日に数十件以上の契約を処理している。

▽「コンピュータ1台、人10人分」と言われ、行政のスリム化が期待されてから20年余り。今や「コンピュータ1台、人1人」となって、人が減らないばかりか、コンピュータまでもが無駄に時間を潰している。行政サービスが民間のそれに近づく日は、はるか遠い先なのだろうか。

        (Sakai)