人間の能力はDNAが決めている?

サッカーワールドカップも終盤戦。予想通りヨーロッパおよび中南米勢がしのぎを削り合っている。日本のサッカーファンには悪いが、彼らと日本勢との段違いの実力差は否めない。

「組織力」とか「協調性」とかの理屈ではなく、ズバリ、個人力の差ではないか。個人力の平均値をチーム力とすれば、この先数十年、いや、ひょっとしたら永久にその差は縮まらないのかも知れない。

なぜなら、人間の能力の大半はDNAが決めているからである。例えば、世界の頂点に君臨してきた陸上選手のほとんどが黒人選手であることからそれが解る。何千年も前から獲物を追って走り続けてきた民族の歴史が「走りのDNA」を育んできたのだから、昨日、今日で走り込んだ民族に勝ち目はない。DNAには、個人の能力だけでなく民族の歴史も一緒に刻まれているわけである。

一方、日本人が世界に誇れるDNAがある。それは、四季折々の食材に培われた繊細かつ順応性の高い「味覚」である。日本人シェフがパリの名店で活躍したり、反対にフランスの味を日本に持ち込んだり、そして、寿司やラーメンなど世界至る所で日本食がブームになっていることがその証である。この際、あの「ミシュラン」にモノ申したい。「フランスのタイヤ会社に何がわかる?生魚を食ったこともない民族が鮨屋の良し悪しを語るんじゃない!」とね。

 ところで、春にオープンしたCafé Moonでは、中南米のソウルフード“ポンデケージョ”&“エンパナーダ”をメニューに加えることになった。ブラジル人 パトリシア とペルー人 カテリーナ の発案を月乃料理人カトウがアレンジした、言わば異民族DNAのコラボレーションだ。ワールドカップが終わっても、ここしばらく中南米ブームは終わらない。

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 (Sakai)