“お年寄りに喜んでもらいたい”という思いを胸にムーンワーカーズ利用者4名は、小牧老人福祉センター「野口の郷」開催のクリスマス会におじゃました。我らミニ訪問団、今回の親善大使は、スピードお絵描きでおなじみとなった“はるちゃん”とその仲間たちだ。
受付コーナーに似顔絵サンプルと順番予約表を置いて、“さあ、10時から始めますよ~”と準備もおぼつかぬ中、“どれ、一つお願いできますか”とお姉さん(若めのおばあさん)が はるちゃんの対面に腰かけた。と、みるみる絵が出来上がり “あらっ、こんな可愛く描いてくれてありがとっ”と乙女の恥じらい?を見せてくれたところに 周囲からは“いやぁ、見た目そのままですよ”な~んてね…。 こんなお世辞まじり会話が次々と人を呼び、気が付くと長蛇ならぬ長寿の列。そこで仲間たちが登場、“さあ、お待ちの方、こちらにお座りくださ~い。肩揉みしますよ~”脇役ながら彼らもしっかり仕事をしてくれた。
こんな具合に、ようやく予約表もいっぱいに時が過ぎること約1時間半、なんと描いた似顔絵は40枚以上! 2分半で一人を描くそのスピード、質を落とさず描き続けるその集中力、手前味噌ではあるが我がムーンワーカーズの月星(ムーンスター)ともいえる彼女を心から褒めてあげた。ただ、来年からは“クリスマス会くらいは、ゆっクリスィマスかい?” 一方、館の職員さんたちは、ケーキやコーヒー、カラオケに抽選会まで朝からサンタの格好をしてやりクリスィマス、“ほんとに「サンタ苦労す」でしたね、最後にぼくたちが肩を揉みますよ”と我が仲間たち。そこで一つ、思いがけない発見があったのは“肩揉み”だ。障がいを持つ彼らよりも私のほうが年齢が近いにもかかわらず、彼らにだけ安心して肩を揉ませてくれるお年寄りたち。“老いることは限りなく障がい者に近づくことだ”と聞いてはいたがそういうことなのか。
ならばこの先、彼らを率いてお年寄りへの訪問行脚を続けるしかない! と決意をあらたにした一日だった。