受容と供給のバランス

「老いることは限りなく障がい者に近づくことだ」という言葉が真実ならば、自分が障がい者を共感できるようになるまで、あと20~30年かかることになる。それまでの間、我々は彼らに対し、どんな訓練作業を供給していけばよいのだろうか。一般社会への復帰を目指す就労支援において、それは本質的な課題である。

▼人はヒト、物はモノ

作業する人が健常者であれ障がい者であれ、そこで造られたモノを世に出す以上、そのモノには、いただくお金に見合った価値がなければならない。なぜなら、モノづくりの業界では結果としてのモノが全てであり、そのプロセスを担っているヒトは何ら関係ないからである。したがって「べてるの家」に根付く合言葉、失敗しても“それで順調”などという“ダメもと的価値観”は大変な足かせになっていて当然だ。今や、年間1億円を超える昆布を製造販売しているこの授産所には、おそらく何億円にも上る“人並み以上の苦労”があるのだろう。

image007段ボールを芯に作った写真立ての価値は?

▼責任者はいない、みんなが当事者だ

べてるの家には、責任者がいないらしい。事業のルール上、「サービス管理責任者」はいても、生活共同体としての責任者やリーダーを決めないということなのか。私は大賛成である。なまじっかに責任者を作ることで、個人の責任が集団の責任になったり、その逆だったり、かえって責任の所在を不明瞭にしているのが健常者社会の常ではないか。役人や政治家がその典型であるように、とかく群れをなしたがる日本人が国際社会において自立できない理由はここにあると思う。反対に責任者がいないことの裏返しは、全てが自己責任ということであり、だからこそ、べてるには、自己を問いただすための「当事者研究」が行われているのだ。障がい者一人ひとりの自立を促す上で、このようなべてるのポリシーは、是非とも見習いたいものである。

image011

▼淡水魚は海では暮らせない

今いえることは、健常者の価値観を強要して健全?な社会に送り出すことが、必ずしも障がい者を救うことにはならないということ。川の清流に対して海水が淀んでいるという意味も込めて、そのことは淡水魚を荒漠たる海に放つ行為に等しいからだ。だがそうなると、そもそも障がい者の自立支援とは何か?と振り出しに戻ってしまうのである。思うに、健常者の立場からのみ「受容と共感」を掲げるなど、実におこがましいことではないのか。

10年ほど前に“今日も順調”と昆布を売り歩いていた「べてるな人たち」と出会って以来、私は“それがどうした?人生そんなもんでしょ”を座右の銘とし、自らを受容している。

image009(Sakai)

畝がうねってしまって・・・

Asahi Farmでは、2月18日、出勤していた利用者・スタッフ合わせて12名で、土造り作業を再度実施しました。当日、天気は良かったものの、非常に冷たく強い風が吹く状態でした。各々スコップや鍬を手に持ち、まず土を掘り返し、肥料の牛糞を撒き混ぜ合わせ、とりあえず、長さ約5mの畝を4本つくることになりました。畝を作り始めると目安になるものが無かったこともありどんどん曲がってしまいました。「まっすぐ作らないとダメだよ! 畝がうねってるよ!!」 なんていう声が飛び交う中、作業開始から1時間程で何とか予定通りの畝が出来上がりました。次回は、残りの畝作りと作付けの予定です。何を作るかは次号以降でご報告します。

image014

節分豆まき会と恵方巻づくり

節分は「せち分かれ」とも言い、季節の変り目、立春の前日を示す言葉です。現在では、立春の前日 2月3日が「節分」になります。“魔が滅する”という言葉、「魔滅」から、『豆』をまいて邪気を外へ出す風習になったそうです。

image003

そこで、2月3日 節分豆まき会を開催しました。朝から、お向いの森下さんにもご参加いただき、利用者、スタッフ皆で豆をまいて鬼を追い出し、恵方巻を作ったり、わいわいと楽しく時間が過ぎました。午後からは、御近所の通所介護施設の みどり さんで出張豆まきをさせていただきました。

image005

さて、次は ひなまつり のプランを立てなければ・・・

森下さん、3月もご面倒をおかけしますが宜しくお願いします。

書初めと餅つき

ムーンワーカーズ作業所にとっては、初めての新年、あちこちの施設でも行われている「書初め」と「餅つき」を利用者、スタッフみんなで楽しんだ。

  • 書初め大会

お題といえば「今年の抱負」。そこはお決まりとなっているが、中身は人それぞれ。紙がなくなるまでたくさん書いた内の一枚を本人に選んでもらった。

image008

  • 餅つき大会

正月気分を盛り上げるには、欠かせない行事でしょう。“白”を2臼、“黒豆入り”を2臼ついたが、餅米が余ったので赤飯とちまきを作った。1月中旬まで餅米だけで過ごした人がいたとか…。

image011

年頭所感

ムーンワーカーズ作業所が開所して5ヶ月が経った現在、10人の利用者たちは作業所の内外で元気に作業に励んでいます。

入所当時、ほとんど無口だった人も次第に口数が増え、最初から口数の多かった人は相変わらずでしょうか。マイペースながらも、みんなそれなりに一生懸命でした。

食品のシール貼りや袋詰め等の作業を淡々とこなしてくれた人、イベントでパフェを作ったり、コロッケを売ったりしてくれた人、毎朝早くから南知多に出かけ、車に何杯もイモヅルを採ってきてくれた人、毎日毎日、イモヅルの選別やイモ洗いをしてくれた人、シールを作るため、何枚も何枚も金時イモの絵を描いてくれた人、出来た食品を持って、日曜日でも半田や一宮で販売応援をしてくれた人、畑作業をしてきたなかで、休みの日でも野菜の成長記録を採ってくれた人、老人福祉センターで40人以上の似顔絵を描いて、お年寄りを喜ばせてくれた人、作業所のゴミ捨てやトイレ掃除をいつもすすんでやってくれた人、 …などなど、色々な作業を一通りやってみる中で、共同作業で力を発揮する人、一人でこつこつやる人、人が持っていない才能を持っている人という具合に、利用者各々の特性や得手不得手が表れてきており、職員とのコミュニケーションもより親密なものになってきています。今後ともムーンワーカーズ作業所は、利用者の特性を活かして、より一層新しい作業にチャレンジしていきます。どうか本年も宜しくお願い申し上げます。

image005

ムーンワーカーズ一同

収穫野菜でクリスマス会

12月22日、今日は待ちに待ったクリスマス会。作業所では、数日前からダンボールのツリーや色紙の飾りをみんなで作り、カラオケの練習もして、さあ、あとは食べるものだけ!

2日前にみんなで収穫した野菜(小松菜、春菊、トホホ大根)と干しキノコ(さかい謹製)をたっぷり入れて…っと、あれっ、肉は?“なっちゃん、さっちゃん、はるちゃんで肉だんご作ってね”っと “だんご3兄弟かい”って “3姉妹だよ” でも、なぜかヨッシーだけ、葉っぱのあえ物作ってんの? “あえっ” 冗談はさておき、次はメインのケーキを女性3人で作って、準備完了。みんなで共同作業をすることは楽しいいけれど段取りするスタッフのほうも大変です。

image021

普段の作業とは違う一面が利用者、スタッフともに垣間見れた楽しくも充実した一日でした。

Asahi Farm だより

アサヒファーム“ほんわか農園”の朝は水汲みから始まる。愛知用水からの揚水時期が終わったので、近くに流れる瀬戸川の瀬戸際までポリタンクで汲みに行く。2個分40kgを一人で持つには向こうミズすぎるが、1個分では水平が取れない。“ミズくさいこと言わずに一緒に行くぞ”と力持ちを誘ってウォタウォタと水を確保。

さて、10月中旬に種蒔きした野菜たが日々育っている。春菊 6~10cm小松菜 10~20cm、総太り大根 10~23cm、みの早生大根 5~20cmと、いささか “ふぞろいの野菜たち”だが “ベジ~マイラブ♪”である。

image017

みんなで造った看板を立てて、想い出の一枚をパシャリ。

image011

What(ほった) time(いも) is(いじ) it(った) now(な!)! Citta(ちった)いもほり会

海が見える丘の農園“Citta Farm”の主である山本さんには、9月の開墾式以来お世話になっている。10月下旬、1反(300坪)ほどある山本さんの金時イモ畑で、収穫前のイモヅルをいただいたばかりか、今回はなんと、その畑で“芋掘り放題”。ただし、持ち帰りは、お一人様5株まで。ということで、ムーンワーカーズ一同と一般参加者、合わせて18名が連れ立って南知多に向かうという長い一日が始まった。金時イモを掘り始めて2時間、昼ごはんを食べ終えたその時、”What time is it now?” (掘ったイモいじったなぁ?)  “It’s thirteen-nine” (いつ?さわってな~ぃ) と、おやじGAGが13時9分をお知らせしま~す。ようやく(よう焼く掘ったイモが焼けた。でも、お弁当食べたばかりでイモたれしそう…。

image008

かくして “What time is Citta now” 「掘ったイモisちった、なう」で明け暮れた一日でした。

これら “知多の国から” の金時イモたちは、「私たちの愛情入り」ラベルが貼られ、当作業所オリジナル製品「アントキの金時」シリーズとして皆様のもとへお届けします。ご希望の方はこちら http://craft-moon.com/ (現在休止) からお買い求めください。

 (文:Sakai  おやじGAG 監修:カレーなるハヤシ)

雨でも「はるひ日和」

降りしきる雨も何のその、11月19日、「春陽まつり」が春日台養護学校の屋内にて開催され、ムーンワーカーズは9月の“はるひまつり”に続き、利用者、スタッフ総動員で出店しました~!

今回は、施設のみんなで採取・選別からラベルまで“愛情をこめて”制作した「金時キャラ」「ベビー金時」「プチムーン金時」を中心に、お客様に試食していただきながら販売しました。実はこの三種の金時シリーズ、同学校3年生3人が、ちょうど作業実習で制作を手伝ってくれた「アントキの金時」なんです。そんなこんなを説明しているうちに、先生や保護者の方々がどんどん買っていってくださいました。

image005 この日は、同学校の文化祭であり、店じまいするやいなやムーンワーカーズ利用者のみんなは、後輩にあたる生徒達、とりわけ実習で仲間となった3人の舞台を観劇して感激していました。“やぁ~、母校っていいもんですね。”かおりちゃん、ゆうき君、しょうま君、上手だったよ~! 先輩のみんなも我々スタッフもとても楽しんだ、まさに“はるひ日和”の一日でした。 “それでは、またお会いしましょう、さよなら、さよなら、さよなら…”

カレーなるハヤシが「風の谷の”なう”」でRADIO SANQへ

9月27日(月)に坂井社長が、林ともみさんの番組 『サンキュー・モーニング』の11:00過ぎの 【ともみ と ともに】 への出演に続いて、ムーンワーカーズの リーサルウエポン “おやじギャグマイスター” を自負している 林 宏典 も 11月7日(月) RADIO SANQ に出演させていただく事となった。

毎週月曜日 17:30~20:00 放送の、水野良一さんの『サンキュー・イブニング』内、19:00頃の [ おやじギャグ道場 ] の終了後、【おやじギャグを語る】 と題したコーナーを作っていただき、約10分ほどでしたが、お互いに熱く おやじギャグの応酬となった。

私は、放送に関しては素人なので、スタジオの近所まで行った頃から少し緊張(近所)気味ではあったが何とか無事に終えられたと思う。

番組中に、 “瀬戸のコトリ”さん から〝感激した〟のFAXをいただけて、とても有難かった。 (うちには、‘瀬戸のコトミ’さん がいますが・・・)

まだまだ話せなかった事が山ほどあるので、この紙面でも公表していければと考えている。(但し、決して道場破りをするつもりは無い)

ちなみに私は、現在 水野さんの 【おやじギャグ道場】の門下生となり

RADIO NAME [ 風の谷の “なう” ] として師範に稽古をつけていただいている。

   PS. 林は、弟子の坂井に稽古をつけている。(笑)